新発売のパワフルなシネマカメラDJI Ronin 4Dは、映像業界の常識を覆すオールインワン型撮影ツールです。合理的なシステム設計で、高効率かつ直感的な操作を実現します。この記事では、Ronin 4Dの汎用性の背景にある、優れたテクノロジーを ご紹介します。
注目テクノロジー1:能動的な4軸安定化機構
従来の安定化機能
どの映像監督にとっても、安定した映像を撮影することは、終わりの見えない闘いのようなものです。従来、カメラマンは、ドリーやリグ、防振装置つきアーム、ステディカム、スタビライザーを使って、撮影を行ってきました。しかし、カメラの上下の揺れは、このような従来の3軸安定化機構では、直接補正することはできませんでした。
Ronin 4Dの能動的な4軸安定化機構には、どんな特徴がありますか?
DJI Ronin 4Dは、従来の3軸ジンバルにZ軸を追加し、カメラの垂直方向の映像ブレを低減しています。受動的な手ブレ補正機能とは違い、Ronin 4Dのアクティブ スタビライザーは、迅速かつ能動的にレンズの動きに反応し、異なる方向の揺れを補正します。
また、Ronin 4Dには、前方&下方デュアルビジョンセンサーが搭載され、ビジョンポジショニングを実現しています。デュアル下方ビジョンセンサーと3D ToFセンサーカメラが連携して、下方向の検知を行うため、スロープや階段など、地面の高さが変化するような撮影シーンに最適です。あらゆるディテールが最適化された結果、内蔵IMUや気圧計、ビジョンセンサーやToFセンサーなどのセンサーが、新しいアルゴリズムとシームレスに連携できるようになり、安定化機能が全体的にアップグレードしました。
Ronin 4Dに搭載された安定化機能は、どのような機能ですか?
Ronin 4Dの能動的な安定化機能は、様々なシナリオに対応できる機能です。階段を使った撮影シーンを例にして、ご説明します。従来の撮影では、ステディカムやスロープを使って、カメラの揺れを低減する方法がよく取られます。一方、Ronin 4Dの場合、このような撮影シーンでカメラが上下に動いたとしても、4つ目の軸であるZ軸がその揺れをリアルタイムで補正します。そのため、安定した映像を撮るための歩き方やペースのとり方を練習することなく、必要な場面で、最適な手ブレ補正効果を得ることができます。
どのようなシナリオでRonin 4Dを使用できますか?
Ronin 4Dは、走りながら、または階段を上り下りしながらの撮影や、クローズアップでのパン撮影、狭い場所や乗り物内での撮影など、複雑なシナリオで滑らかで安定した映像を撮影できます。
注目テクノロジー2:LiDARウェーブフォーム
LiDARを使った機能について教えてください。
Ronin 4DのLiDARレンジファインダーは、最大43200個の測距点を検知します。信号の送受信の時間差を検知することで、各測距点との距離を正確に計測し、その情報をリアルタイムに利用して、カメラ前方の奥行き情報を効果的に検知します。また、撮影シーン内の被写体との距離情報は、カメラ前方のエリアを上から見たトップダウンビュー上で、メートルを使って表示されます。これがLiDARウェーブフォームです。この機能により、被写体の動きや必要なフォーカス効果に合わせて、焦点位置を直接かつ簡単に調整することができます。
LiDARフォーカスシステムには、従来のシステムに比べ、どのような利点がありますか?
プロによる撮影には、通常、プロのフォーカスプラーが必要になります。画質やレンズ品質に対する業界の要求が高まるにつれて、フォーカスプラーによる焦点調整の正確性に対する要求も高くなっています。従来の方法では、フォーカスプラーはフォーカスピーキングや超音波を使用して、距離を計測します。一方、LiDARウェーブフォームを使用すると、撮影しているシーンの奥行き情報を直接モニターに表示します。この機能により、操作性が一新され、よりシンプルかつ直感的なフォーカス制御が可能になりました。このようなRonin 4Dの機能により、フォーカス調整する経験豊富なフォーカスプラーを用意しなくても、プロレベルの正確なフォーカス調整を容易に行うことができます。
自動マニュアルフォーカスのオートフォーカスは、どのように機能しますか?
Ronin 4Dは、DJI史上初となる自動マニュアルフォーカスモードに対応しています。このモードでは、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの両方の制御が可能になり、革新的かつ効率的な撮影体験を提供します。被写体の動きに合わせ、フォーカスモーターがレンズを動かして焦点が被写体に合うように調整します。同時に、右ハンドグリップに搭載されたフォーカスホイールが、焦点位置の変化に合わせて、自動で回転します。フォーカスホイールが自動で回転している際に、カメラマンは、画面のウェーブフォーム上の緑色と黄色のラインをもとに、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの焦点位置を確認でき、どちらの焦点位置をとるか決めることができます。よって、撮影中いつでも必要な時に、手動で焦点を調整することができます。フォーカスホイールは、電磁技術を使った触覚制御機能を搭載しています。これにより、焦点を変更する際の物理的な操作感覚を調整できるため、他の製品にはない焦点調整を体験することができます。
* ウェーブフォーム上の緑色のラインは、Ronin 4Dによって自動的に検知された被写体の焦点面位置を表し、黄色のラインは現時点での焦点面位置を表します。
注目テクノロジー3:一体型オートフォーカス&トラッキングシステム
Ronin 4Dのオートフォーカスは、従来のカメラとどのように違いますか?
従来のカメラでは、被写体の動きが速かったり、被写体の表面の質感が不明瞭だったり、照度が低いもしくは暗すぎたりする場合、焦点を正確に合わせることができないことがよくあります。Ronin 4Dオートフォーカスモードでは、LiDAR レンジファインダーが1秒に20回の割合で被写体の動きを検知できます。そのため、低照度環境で被写体を撮影する場合や、モーションブラーが発生するような状況下でも、Ronin 4Dは常に被写体を追いかけ、焦点が合うようにジンバルを調整できます。
Ronin 4Dは、マニュアルレンズを使用時、どのようにしてオートフォーカスを実行しますか?
一新されたLiDARフォーカスシステムは、X9 フォーカスモーターと併用することができます。レンズキャリブレーションが完了し、最も近い焦点と無限遠の間の範囲を認識すると、Ronin 4Dは被写界深度を決定し、マニュアルレンズで継続的に被写体に焦点を合わせることができます。これは、他の撮影クルーがいない状況で、一人で撮影するカメラマンにとって、とりわけ有用な機能です。
ActiveTrack Proの機能について教えてください。
DJI独自のコンピュータービジョン、ディープラーニング技術、パワフルな計算能力を持つCineCore 3.0により、ActiveTrack Proは、全ての被写体をトラッキングできるようになりました。この機能は、人物の顔、頭、肩、腕や足を効果的に認識し、また、長距離からでも人物を継続的にトラッキングします。この機能により、簡単にトラッキング撮影ができるだけでなく、トラッキング中にいつでも焦点位置や構図を調整できるため、フォーカスしたいエリアを常にシャープに、そしてクリアに捉えることができます。
この機能は、撮影者が一人のような撮影で、どのように役立ちますか?
従来の撮影クルーは、一つの機材に対し4人のスタッフを配置していました。カメラオペレーター、ジンバルオペレーター、フォーカスプラーに加え、もう一人アシスタントが必要になります。スムーズに撮影を進めるためには、チーム全体の緊密な連携が必要です。一方、Ronin 4Dは、必要なモジュールを全て統合し、アシスト機能も搭載しています。ActiveTrack Proやオートフォーカスのような機能により、撮影者が一人でも、撮影作業の大部分を行うことができ、撮りたい映像の創作に集中することができます。
注目テクノロジー4:DJI O3 Pro 映像伝送
DJI O3 Proは、従来の映像伝送とどう違いますか?
市販の映像伝送ツールの大部分は、固定の周波数帯を使用し、周波数帯の自動切り替えには対応していません。撮影環境内に強い干渉があると、映像伝送の性能は下がります。Ronin 4Dは、刷新されたDJI O3 Pro映像伝送技術を駆使し、6 kmという長距離伝送を実現しています。また、2.4GHzや5.8GHz周波数帯での伝送に加え、DFS(動的周波数選択)チャンネル*やAES 256bit暗号化アルゴリズムに対応し、1080p/60fpsのフルHD動画を複数の遠隔モニターに同時に出力することができ、優れた安全性と安定性、そして耐干渉性を発揮します。
* 一部の国または地域では使用できません。
DJI O3 Proは、どのようにして超低遅延を実現しますか?
従来の映像伝送方法では、映像の処理、伝送、表示は、異なるブランドの機材を併用して実行していたため、ある程度の伝送遅延は避けられませんでした。しかし、Ronin 4Dの場合、DJIが独自に開発したチップが、Ronin 4Dのイメージングシステム、映像トランスミッター、映像レシーバー、遠隔モニターに使われています。これらのコンポーネントが連携して合理化された無線伝送システムを形作り、それぞれのリンクが最適化されることで、エンドツーエンドでの超低遅延伝送を実現しています。
プロの撮影クルーによるチーム撮影のどのような点において、本製品は有用ですか?
Ronin 4Dと同時に発売された高輝度遠隔モニターは、内蔵の無線映像レシーバーと1500ニトの高輝度ディスプレイを搭載し、HDMIとSDI信号の両方の出力に対応しています。コンパクトで軽量設計の本製品は、優れた携帯性で素早くセットアップできるため、時間をかけずに撮影を開始できます。また、遠隔モニターの配信モードでは、レシーバーの数が制限されないため、大人数のクルーがいる撮影現場でのモニタリングに適しています。制御モードでは、2つのレシーバーを使ったジンバルとフォーカスの制御に対応し、プロの撮影クルーによるチーム撮影を、今まで経験したことがないほど簡単なものにします。
高輝度遠隔モニターには、どんな特徴がありますか?
ミラーリング操作モード*では、メインモニターと全く同じ操作画面情報を高輝度遠隔モニターに表示し、オリジナル素材の再生、動画のパラメーターやジンバルの設定といった高度な機能を含む全ての操作に対応します。これにより、Ronin 4Dが、ジブ、ケーブルカム、カーマウントのような拡張プラットフォームに取り付けられていたとしても、遠隔で操作することができます。また、高輝度遠隔モニターは、microSDカードスロットを搭載し、最大1080p/60fpsの動画を独立して録画できます。複数の遠隔モニターを併用する場合は、各モニターで素材を別々に確認することができ、他のモニターを干渉することはありません。
* 今後のファームウェア更新で利用可能になります。
「ゲームチェンジャー」としてのRonin 4D
DJIは、映像制作に対する情熱と想像力を持って、映像業界に革新を起こし続けてきました。そんなDJIの最新テクノロジーを結集したRonin 4Dは、「ゲームチェンジャー」として、映像業界の常識を覆し、その未来に新たな可能性をもたらします。